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声が通らない6個の原因、通る声になるための6個の改善方法

2020.10.16 

声が通らない6個の原因、通る声になるための6個の改善方法

  • 声が通らないのが悩み…
  • 通る声になるにはどういう練習をすればいいの?

本記事は、こうした声が通らない悩みをお持ちの方に役立つ内容です。

自分では大きな声を出しているつもりなのに声が聞こえづらいと言われたり、何度も聞き返されたりしたことはありませんか?そうした悩みを持つ方は、声が通りにくくなっている可能性があります。

自分の声が通っているかどうかは、なかなか自分では判断しにくいものです。「もしかして声が通っていないのかも?」と思ったときは、声が通らない原因と自分の声の現状を照らし合わせてみましょう。ここでは、声が通らない原因と、通る声の出し方をご紹介します。

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声が通らない6個の原因

「声の通りやすさ」が関係するのは、声の出し方や口の環境、声質などさまざまです。声が通らない原因について、詳しくみていきましょう。

口の中がねばついている

口の中がねばついていると歯切れの悪い発音になり、声が通りにくくなります。発声しづらいなと思ったら、口の中がねばついていないか確認しましょう。

糖分が多い飲み物を飲んだりした後は、口の中がねばつきやすいです。口内がねばついていると思ったら、水を飲んで口の中の糖分を洗い流してみましょう。

また、口がねばついた状態で話すと、「ペチャッ」という雑音(リップノイズ)が入る場合があります。リップノイズが多いと声が聞き取りづらくなることもあるので注意しましょう。

リップノイズの対策と改善方法はこちらの記事で解説しています。

舌が声の通り道をふさいでいる

声を出すとき、舌が喉の方へと引っ込んで、声の通り道をふさいでしまう場合があります。声の通り道が舌でふさがれると、音がこもって聞こえてしまいます。

確認するために、鏡の前で口を大きく開いて「あー」と発声してみてください。舌が喉の方へと引っ込んでいる場合は、舌を正しい位置でキープして声を出す練習をすることをオススメします。

下の前歯の裏側に舌をつけたまま声を出して、舌の位置を調節する感覚をつかみましょう。くり返し練習を重ねることで、話しながらでも自然に舌の位置をコントロールできるようになります。

どうしても舌のコントロールが難しい場合は、アインシュタインの写真のイメージで舌を前方に出し、舌のストレッチをしてみましょう。慣れないうちは、余計な力が入って舌がプルプルします。鏡やスマホのインカメラで舌がリラックスできているかチェックしてみてください。

胸式呼吸で発声している

胸式呼吸は、主に肺の上部を用いる呼吸法です。主に肺の下部を用いる腹式呼吸と比べて安定して使える息の量が少ないため、響きのある安定した大きな声を出しにくくなります。

また、胸式呼吸は呼吸とともに胸や肩が引き上げられるので、喉が緊張して余計な力が入った状態になりやすいです。喉に力が入ると、声を出すときに声帯周辺も圧迫されて通りにくい声になってしまいます。

多くの人は日常生活では基本的に胸式呼吸がメインになっていますが、声が通りにくい人ばかりではないため、他の原因も重なることで声が通りにくくなっていると考えられます。

身体に力が入りすぎている

身体に力が入りすぎていると息を多く吸いにくくなり、声帯周辺も圧迫されて声が通りにくくなります。上述の胸式呼吸と同じ原理ですが、緊張や不安で身体に力が入ってしまう方も多いでしょう。

例えば、人前で話すことが苦手な人がスピーチをするときや、歌に自信がない人が人前で歌うときなどは、緊張で身体に力が入りやすいです。野球のバッティングで力んで打つと球が思ったよりも遠くまで飛ばないのと同じように、声も力みすぎると遠くに届きにくくなります

身体の力を抜こうと意識しすぎるとますます余計な力が入ってしまう方は、根本の原因である緊張や不安の緩和も必要になってくるでしょう。発声を改善することで自信をつけ、緊張を緩和することもできます。緊張で声が小さくなってしまう方は、こちらの記事もご覧ください。

発声時に多く息が漏れている

発声時に息が多く漏れていると声の輪郭がぼやけ、通りにくい声になります。頑張って大きな声を出そうとしても思ったよりも出ていない方は、息漏れが多いことがひとつの可能性として考えられます。

息が多く漏れる原因としては、声帯閉鎖のコントロールがうまくできてないことが挙げられます。声を出すには、声帯を形作る2枚のひだのすき間を息が通り、声帯がしっかりと安定して振動する必要があります。声を出すときにうまく声帯閉鎖ができていない場合、声帯のすき間を多くの息が通って息漏れの多い聞こえづらい声になってしまう可能性があります。

声を出すときに下を向いている

声を出すときに下を向くと、喉が圧迫されて声をうまく出せません。試しに、首を下に傾けた状態で「よろしくお願いします」と発声してみてください。声の通り道が狭くなって声の輪郭がぼやけたり、滑舌が悪くなったりしませんか?

声は口が向いている方向へまっすぐに飛ぶため、相手にしっかり声を届けるには、相手の方向を向いて話しましょう。自信がなかったり恥ずかしかったりすると、無意識に首を下に傾けてしまいがちです。歌も同じで、しっかり前を向いて声を出すことを意識しましょう。

声が通らない原因は…

  • 口の中がねばついている
  • 舌が声の通り道をふさいでいる
  • 胸式呼吸で発声している
  • 身体に力が入りすぎている
  • 発声時に多く息が漏れている
  • 声を出すときに下を向いている

通る声になるための6個の改善方法

通る声で話す女性

通る声になるには、声の輪郭がぼやけたり、声をうまく出せなくなったりする原因を解消する必要があります。次の6つの改善方法を実践すれば、通りやすい声を出せるようになるでしょう。

腹式呼吸

腹式呼吸は、主に肺の下部を用いて呼吸をする方法です。主に肺の上部を用いて呼吸をする胸式呼吸では、息を吸ったときに肩が上がるのに対し、腹式呼吸ではお腹や背中が膨らむ感覚になります。腹式呼吸は、胸式呼吸と比べて安定した声や強弱をつけた声を出しやすいため、歌を歌う際には欠かせません。

話すときも同様に、腹式呼吸をうまく活用することで相手が聞き取りやすい声を出すことができます。ただし、腹式呼吸を意識しすぎてしまうと声帯に余計な力が入りやすくなってしまい、通る声が出にくくなってしまいます。まずは、自然に腹式呼吸ができるような感覚をつかむことから始めましょう。

腹式呼吸の自然な感覚のつかみ方や練習方法はこちらの記事で解説していますので、呼吸法の基本を学びたい方はぜひご覧ください。

喉を開く

「喉を開く」は、「喉の空間を広げる」と同じ意味になります。まずは、喉を開く感覚をつかむために、手を息で「ハァ~」と温める動作をしてみてください。このとき、自然と喉が開いた状態になります。何度も繰り返して感覚をつかんでいきましょう。

感覚がつかみきれていない状態で意識的に喉を開こうとすると、身体に無理な力が入りやすくなってしまったり、違和感のある不自然な話し方になったりしてしまいます。まずは、自然にラクに喉を開けるような感覚をつかむことを目指しましょう。

喉を開くときのコツや練習方法はこちらの記事で解説していますので、喉をうまく開けていないと思われる方はぜひご覧ください。

息漏れを少なくする

発声時の息漏れが多いと思われる方は、声帯閉鎖を鍛えてみましょう。声帯閉鎖とは、発声時に声帯が閉じている状態のことをいいます。声帯が閉じている状態では、声帯を形作る2枚のひだのすき間を空気が通り、声帯が振動することで声が出ます。

声帯が適度に閉じた状態で発声すると、声がよく響くうえに芯があって通りやすくなります。また、声帯閉鎖を鍛えることで、声帯の閉じ具合を自在にコントロールできるようになり、さまざまな声質の使い分けもしやすくなります。

声帯閉鎖の鍛え方やコツはこちらの記事で詳しく解説していますので、息漏れ声を改善したい方はぜひご覧ください。

滑舌を改善する

滑舌とは、基本的にはっきりと発音するための口や舌の動きのことをいいます。滑舌が悪いと明瞭に発音できなくなるため、声が通りにくくなります。滑舌が悪い原因は、口の動かし方の問題やボソボソと話すクセなどが考えられます。場合によっては、呼吸の不安定さと絡み合って起こっていることもありますので、改善が難しいときは多角的に原因を考える必要があります。

普段から、ボソボソと話してしまう方は、滑舌よく話すことを意識するだけでも、改善できる可能性があります。一語一語ハキハキと話すように意識するだけでも滑舌が良くなり、声の通りも良くなるでしょう。最初のうちは、「あいさつ」など日常的に実践しやすいところから意識してみてください。

滑舌のトレーニングは、割り箸を使った表情筋トレーニング、舌筋トレーニング、母音法、早口言葉などがあります。詳しいトレーニング方法はこちらの記事で詳しく解説していますので、意識してもなかなか滑舌が改善しない方はご覧ください。

また、口の中の水分が不足してねばついていても明瞭な発音が難しくなります。口の乾燥を防ぐために水分を摂ったり、スピーチや歌う前は糖分が多い飲食物を控えたりすることも1つの方法です。喉に負担の少ない飲み物はこちらの記事で解説しています。

声を飛ばす方向や距離感を意識する

話すときや歌うときは、声を届けたい人がいる方向や距離感を意識して声を出してみましょう。相手に声を届ける意識で声を出すと、発声のときに使う筋肉が適した形で動きやすくなり、通る声が出やすくなるでしょう。

ただ、やみくもに遠くに声を飛ばそうと意識しすぎると、身体に無理な力が入ってしまいやすいので注意しましょう。5メートル離れた相手に伝わるようにしたいときは、「5メートル」という距離を意識すると自然に声を届けやすくなります。もし、5メートル先の相手に声を届けたくても、下を向いて1メートルの距離感で声を出してしまうと、ひとりごとのように聞こえてしまうかもしれません。

このように、声を飛ばす方向や距離感を意識することも、通りやすい声を出すために重要なポイントです。

鼻腔共鳴

鼻腔共鳴とは、声帯の振動によって発生した音が鼻で共鳴することをいいます。共鳴すると「倍音」が生まれます。倍音が多く含まれる声は通りやすく明るい声になり、倍音が少ない声は通りにくいこもった声になると言われています。

鼻腔共鳴をマスターすれば、声に明るい「響き」が加わるため、相手が聞き取りやすい声になるでしょう。ここでいう「響き」は、浴室で歌ったときに感じるような響きと同じです。浴室や体育館など響きやすいところで歌うと、普段の歌声に空間の響きが加わることでより上手く聴こえるようになります。響きのある声は聴き手にとっても心地のいい音です。

鼻腔共鳴のメリットやコツ、練習方法はこちらの記事で詳しく解説しています。響きのある通りやすい声を出したい方はぜひご覧ください。

参考:平均律と倍音 | 小野測器

通る声になるために意識したいこと

  • 腹式呼吸で発声する
  • 喉を開くことを意識する
  • 息漏れを少なくする
  • 滑舌よく話すことを意識する
  • 声を飛ばす方向や距離感を意識する
  • 鼻腔共鳴で声に明るい響きを加える

話し方のレッスンで通る声に

声が通らない悩みを解消するには、声が通る発声方法を習得する必要があります。しかし、本当に通る声になっているかどうかは、相手に聞いてもらわなければなかなか判断が難しいでしょう。発声練習をしたものの、自己流なので自信がない…という方もいらっしゃるかもしれません。

そこでオススメなのが、ボイトレのマンツーマンレッスンです。プロの講師に発声の悩みを相談し、状態に合わせた適切なトレーニングを受けることで、自分だけで色々と試行錯誤するよりも短期間で通りやすい声を習得できるでしょう。

ボイストレーニングのシアーでは、腹式呼吸や滑舌、抑揚のトレーニングなどの基礎力をupするレッスンを行っています。また、プレゼンや面接対策、日常会話など、目的別のトレーニングも可能なため、より実践的な話し方のテクニックが身につくでしょう。

講師やレッスン内容などへの不安を解消したうえで通えるように、無料の体験レッスンも用意しています。声が通らなくて悩んでいる方は、試しに体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか。

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おわりに:発声練習を重ねて通りやすい声を出そう

通りやすい声を出すには、腹式呼吸や滑舌、鼻腔共鳴など、さまざまなテクニックを併用する必要があります。特に、基本の腹式呼吸と滑舌の練習を重ねていくことで声の通りに改善が見られるでしょう。

声の通りを改善するには、声が通らない原因がどこにあるかを認識することも必要です。1人で練習しても改善が難しい場合は、プロの講師による話し方レッスンを受けることも検討してみてください。

この記事の監修

多田 亘佑講師(ボーカル)幼少期から様々な音楽に触れ、高校では合唱の全国大会に出場。大学からアカペラの活動が本格化し、ブライダル関係を中心に雪まつり、スキー場のカウントダウンライブなどのイベントに多数出演。ハモネプで全国優勝した『じゃ~んずΩ』(現:JARNZΩ)のボイストレーニング・編曲指導・音楽プロデュースを経験後、2009年よりシアーミュージック札幌校に所属。 年間最大2500以上のレッスン実績があり、初心者からプロ志向の方を対象に、カラオケ上達から音楽活動のバックアップまでと目的に応じて幅広く展開。風船を始めとした身近な道具を用いたトレーニングや、独自視点の高音克服トレーニング・完全コピー(歌唱分析)・ハモリなど追究したオリジナルメニューで理解度・体感度・上達度の高いレッスンを特徴としている。
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