5ステップ音感トレーニング、音感を鍛えて歌ウマに!
2020.11.25
- 音感がないからうまく歌えないと思っている
- 音が連続するとズレやすくなる
本記事は、このように音感について悩む方に役立つ内容です。
音感とは、「音そのものの高さを認識したり、音の高低を聴き分ける能力」です。カラオケで歌うときに音がズレてしまい、「自分は音感がないのかな…」と悩む方も少なくないでしょう。音感に自信がないからといって歌の上達を諦める必要は全くありません。音感はトレーニングによって確実に鍛えることができます。
そこで今回は、音感を鍛える方法を5つのステップに分けてご紹介します。音感に自信がなくて悩んでいる方は、一緒に音感を鍛える練習して、歌の実力の底上げをしていきましょう!
絶対音感と相対音感の違い
音の高さを認識する方法によって「絶対音感」と「相対音感」に分類できます。絶対音感と相対音感は、以下の違いがあります。
- 絶対音感■ 基準音を与えられなくても、その音の高さが12音のどれかわかる
(または12音のどの音に近いかわかる) - 相対音感■ 異なる2つの音を聴いたとき、どちらの音の方が高いかがわかる
■ 基準音がわかれば、別の音の高さがわかる
相対音感は音感トレーニングで鍛えられる
絶対音感は、幼少期を過ぎると習得が難しいとされています。対して、相対音感は年齢に関わらず、訓練次第で習得が可能と言われています。
幼少期における絶対音感の習得についての研究によると、幼少期は相対的に音を捉えることに長けておらず、「音を絶対的な値として知覚する」=「聴こえたとおりに記憶する」傾向があるそうです。
ところが、成長に伴って相対的に音を捉える感覚が優位になり、絶対的に音を捉える感覚が失われやすくなっていきます。そもそも相対的に音を捉えるほうが効率的であるため、いったん相対音感で音を捉えるのに慣れてしまうと、後から絶対音感を身につけるのが難しくなってしまいます。
大人になってから絶対音感を身につけるのは不可能ではありませんが、かなり難しいと言えます。一方で、相対音感の習得は大人になってからでも遅くはありません。プロの歌手や演奏家は必ずしも絶対音感を持っているわけではなく、多くの方が相対音感で音感を鍛えています。
5ステップ音感トレーニング
前置きが長くなりましたが、ここからいよいよ音感トレーニングの方法をご紹介します。
「音感に自信がなくて歌をうまく歌えない」と悩んでいる方は、ここで紹介する5ステップ音感トレーニングを試してみてください。コツコツとトレーニングを続けて、音感を鍛えていきましょう。
1:「移動ド」を理解する
音感を鍛えるには、まず「移動ド」を理解していきましょう。「移動ド」を理解すると、曲のキーが変わっても音を捉えやすくなります。最初は「なんとなくわかるレベル」で構いません。「こういうことか!」と理解することが最初の一歩として大事です。
音の捉え方は、「固定ド」と「移動ド」の2つがあります。このうち、「移動ド」が「相対音感」に大きく関係します。
「固定ド」は、楽譜に書かれた音のとおりに読む方法です。「ド」は「ド」、「レ」は「レ」として捉えるので、キーが変わっても音名通りに音を捉えます。絶対音感がある人は、「固定ド」で譜面を読んだり音を捉えたりする方が多いです。
「移動ド」は、基準音を「ド」として、その他の音を相対的に捉える方法です。「階名読み」とも言います。キーが変わっても「ドレミファソラシド」という並び順で音を捉えます。
たとえば『ドレミの歌』の最初のメロディは、キーが「C」なら「ドーレミードミードーミー」です。キーが「C」であれば「固定ド」も「移動ド」も「ド」から数えるので、「ドーレミードミードーミー」という読み方は変わりません。
では、キーを2つ上げて「D」にするとどうでしょうか?キーを「D」にした場合、「固定ド」では最初のメロディを「レーミファ♯ーレファ♯ーレーファ♯ー」と読みます。
対して、「移動ド」で読む場合は、基準音を「ド」と捉えるので、キーが「C」のときと同じ「ドーレミードミードーミー」と読みます。キーが「C」でも「D」でも「F」でも、「ドーレミードミードーミー」という読み方は変わりません。
「移動ド」は歌詞のようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。当たり前ですが、キーが変わっても、「ドはドーナツのド」という歌詞は変わりませんよね。「移動ド」もこれと同じで、キーが変わっても最初のメロディは「ドーレミードミードーミー」のままで歌います。
上記をふまえて以下の動画を観てみると、「固定ド」と「移動ド」の違いがよくわかると思います。
キーが変わると音がわからなくなる方は、まずは『ドレミの歌』や『チューリップ』などの耳馴染みのある歌で「移動ド」の練習をするといいでしょう。後ほど紹介するカラオケアプリ「分析採点JOYSOUND」や「カラオケJOYSOUND+」に『ドレミの歌』や『チューリップ』が収録されているので、キーを変えて練習してみてください。
「固定ド」と「移動ド」については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。相対音感を身に付けるには「移動ド」をしっかり理解することが大事なので、あわせてご覧ください。
2:音程(インターバル)を耳で聴いて鍛える
音程とは、「音と音との距離」のことです。音程の感覚を鍛えると、2つの音の距離が正確にわかるようになり、どうすれば次の音を狙った通りに出せるのかイメージしやすくなります。
たとえば、輪投げのときは自分とポールまでの距離をイメージして、輪っかを投げる力を調節しますよね。このとき、自分とポールまでの距離感を正確に把握できていないと、適度な力加減で輪っかを投げられず、ポールまで届かなかったりポールを通りすぎたりします。
音楽も同じで、音程の変化に対応するには、まず「音と音との距離」の感覚を正しくつかめるように練習していきましょう。
アプリで音感を鍛えるなら、『おとあて』がオススメです。このアプリでは、鳴った音を当てて音感を鍛えていきます。単音、2音(連続・重ね)と難易度を選べるので、まずは単音当てからやってみて、慣れたら2音の音程当てにトライしてみてください。
単音モードで、最初の問題と次の問題の音の幅をイメージしながら答えてみてください。最初が「ド」で次が「ソ」なら、「けっこう音が離れているな」とか、「ド」の次が「レ」なら「音が近いな」とか、そういった感じで音と音との距離感をつかむ練習をしていきましょう。
最初の問題で鳴った単音をヒントなしで当てるのは難しいと思いますが、キーは固定なので、練習するうちに徐々に音を覚えていくと思います。
3:スケールを覚えて発声するトレーニング
スケールとは、音を一定の法則で並べたもので「音階」とも呼びます。スケール内の音程の変化を捉えて、実際に発声してみましょう。実際に楽譜を見て身体を上手くコントロールして、イメージ通りの音を出すことが大切です。
スマホアプリの『新曲視唱』がトレーニングに役立ちます。楽譜に書かれた音を声に出して歌うソルフェージュの練習用のアプリですが、音感トレーニングにも使えます。
まずは「再生」を押して、スケールを覚えましょう。「スタート」を押すと楽譜がスクロールされるので、流れてくる音符に合わせて声を出します。正しい音で発声できていれば音符が緑色に、半音ズレていると黄色に、1音以上ズレていると赤色になります。
このアプリは、録音した後で自分の声を聴けるので、ズレている箇所があれば必ず確認してみましょう。音感を鍛えるには、今の自分の発声のズレを把握することが大事です。音を覚えてその通りの音を発声できるように、繰り返し練習していきましょう。
4 :半音トレーニング
次は、半音をしっかり取れるようにトレーニングしていきましょう。
「ドード♯ードード♯ードー」、「レーレ♯ーレーレ♯ーレー」のように2音の半音上下を繰り返します。ピアノアプリなどを使い、発声しやすい高さで練習してみてください。コツコツ練習することで、少しずつ半音の感覚を鋭くしていきます。
2音の半音上下に慣れてきたら、次は以下の動画に合わせて発声してみてください。最初は再生速度を少し落として練習するのがオススメです。一音ずつ確実に音を捉える練習をしていきましょう。
※YouTubeの再生速度の変更方法
パソコン:動画画面の右下にある「設定アイコン」をクリック→「速度」から変更
スマホ:動画画面の右上にある点が縦に3つ並んだアイコンをタップ→「再生速度」から変更
先に紹介した『新曲視唱』の別バージョンのアプリ、『新曲視唱Steps』を使った半音トレーニングも紹介します。このアプリには「短調(マイナー・キー)」のソルフェージュメニューがあるので、ぜひ使ってみてください。
iOS:新曲視唱Steps
Android:新曲視唱Steps
無料版と有料版で使えるメニューが異なります。無料版なら、「標準コース」→「レベル4 初級(後編)- 短調」→「4」を選択してください。
レベル4の「4」では、以下のように「短調(マイナー・キー)」でソルフェージュをします。半音の箇所は音程が取りづらいと思いますが、繰り返し練習して精度を高めていきましょう。オクターブのズレが生じるときは、譜面の右下にある「8va」に切り替えてみてください。
5:カラオケでキーを変えて歌う
では実際に、カラオケで半音ずつキーを上下させて歌ってみましょう。曲によっては半音キーが変わっただけでも音が取りづらくなる場合もあると思いますが、だからこそ音感のトレーニングになります。
キーを変えると音がわからなくなる方は、歌い初めだけガイドメロディーをオンにして、音が掴めたらオフにすると良いでしょう。
自宅でキー変更の練習をするときは、採点機能のあるカラオケアプリがオススメです。次のアプリは収録曲が多く、録音機能や詳細な分析機能が搭載されています。
iOS:
分析採点JOYSOUND-公式カラオケ練習アプリ
Android:
無料☆音程グラフ採点 カラオケJOYSOUND+
収録曲数は15万曲以上(2021年2月時点)で、採点中はリアルタイムで音程とピッチ、テクニックが評価されます。設定したキーは最大100曲まで記録できるため、設定し直す必要がありません。
iOS:カラオケ@DAM
Android:カラオケ@DAM
約14万曲を収録(2021年2月時点)したカラオケアプリです。DAMで人気の「精密採点RB」を搭載し、音程やテクニックのリアルタイム分析や歌唱後の採点機能などが充実しています。
ボイトレのレッスンで音感が身についたか確認
音感トレーニングをしても、自分では合っているか判断しにくいかと思います。紹介したアプリで音の正確性をある程度は測定できますが、「実際に歌うとなると自信がないなぁ…」という方もいらっしゃるでしょう。
ボイトレスクールの「シアーミュージック」では、ボイトレの無料体験レッスンを提供しています。プロのボイトレ講師によるレッスンを30分無料で体験できます。
音感が身についたかを確認する目的で体験レッスンを受けていただいても構いません。プロのボイトレ講師に音感をチェックしてもらうことで、どこまでできていて、どこからができていないかが明確になるでしょう。
無料の体験レッスンは、こちらのバナーからお申し込みいただけます。
おわりに:1つずつステップをクリアして音感を身につけよう!
「音感に自信がないから歌がうまくならない」といって、諦めることはありません。今回ご紹介したステップを1つずつクリアしていけば、着実に音感が鍛えられていくでしょう。音感を鍛えながら発声練習も並行して、効率よく歌の上達を目指しましょう。